07/03/00

(ザ・ビーチ)
 

3月7日、タイでかねてから問題になっていた20世紀フォックスの映画「ザ・ビーチ」が封切られた。世界一のスクリーンを持つというMejor Cine Complexの前で、「ザ・ビーチ」に反対する抗議デモが行なわれたので取材に行く。

「ザ・ビーチ」のロケーションはプーケット島近くの国立公園内で行なわれ、天然の海岸をブルドーザーで台本どうりに作り直して行なわれたために、自然破壊が批難されていた。クランクイン直前から、相当の撮影許可料と多額の税金などをかけて認可を与えたタイ政府と映画制作会社20世紀フォックスに対して激しい抗議行動が行なわれた。タイ政府側は、経済危機の中でタイの自然を売りに出すことの必要悪やハリウッド映画の人気にあやかって観光収入が増えることなどを理由に、自然保護団体からの抗議を無視した。しかし実際には相当の裏金が動いたとされている。そして、エキストラに採用され臨時収入を得ることのできる地元住民やロケにかかわる観光業者などは、自然保護団体とぶつかり、厳戒体制の中で撮影が行われた。

たかが映画されど映画。映画人は映画作りのためにやはり真剣になる。環境のことなど眼中に無いくらい映画にのめり込む。いままでの映画でも「ザ・ビーチ」に類することはエピソードとして語り草になれども批難されたことは少なかったのではないだろうか。見渡す限りの野草に緑のペンキをぶちまけて、色彩を強調して撮影した話。化学薬品をつかって湖の色を変えた話。映画人の自慢話として聞いてきたことである。好意を持って見られてきた映画人の我侭が許されないほどに、自然環境の破壊は危機的である。

今をときめくハリウッド・スター、ディカプリオの人気に免じて許して、とはいかないようである。
同じ20世紀フォックスの映画でジュディ・フォスター主演の映画「王様とアンナ」もタイでの撮影、上映に関して揉めに揉めた。このふたつの映画の経緯は、とても面白いのでアジアの話題に書くつもり。更新せずに予告ばかりだが、…。