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被災地ルポA 「天災と人災」

12月26日。バンコク。
まず、地震発生当日にブログに書いたことを貼り付けます。

[“失わなくて済んだ多くの生命”ー
今朝、スマトラ島沖やアンダマン海で相次いで地震があり、その津波 で周辺の国々で数千の死者が出ている。観光地として知られるプーケット島やピーピー島でも、多くの人たちが災害に巻き込まれた。タイのテレビは特別番組体 制で、現地の生々しい被害映像を伝え始めている。
ネットで地震のニュースを見たとき、その直後に「日本には津波の影 響はない」と日本の気象庁発表の情報が流れていた。その段階では、まだスリランカやインド、タイの海岸は津波に襲われていない。震源地から500キロ離れ たプーケットを津波が襲ったのは、約2時間後である。
日本に住む日本人に向けた情報発信であるから「日本には津波の影響 はない」という伝え方はわかるが、当然予想された津波襲来地への連絡は行われたのだろう か。百歩譲って、日本に関してということで気象庁が動いているのなら、年末年始休暇で日本人が多く訪れているはずのプーケットやピーピー、ペナンなどへ官 庁を通しての注意喚起はあったのだろうか。
情報を受け取った現地官庁が「津波の危険があります。海岸から離れ たところへ退避してください」という注意喚起を地元民に行える時間ぐらいはあったのではないだろうか。
日本が大被害を受けたチリ津波のときと較べ、現代は情報の伝達とい う面においては格段の進歩を遂げている。津波の怖さを知る日本人だから、地震が起こると 必ず津波情報も流される。そうした地震体験国、地震情報先進国として、津波情報を関係国に事前に伝えることこそ、国際貢献というものではないだろうか。
ニュースに流れる「日本人の死傷者、行方不明者は現在のところ確認 されていません」という文字が空しい。
#日本時間23時30分のニュースでプーケットなどで約20人の日 本人が行方不明というニュースが入ってきた。現在の死者総数は6,300人。]

津波直後に考えたことは、今も変わっていません。
その後、「津波情報は伝達していた」というコメントがアメリカの防災担当者などから出ていますが、伝達には「警告」や「危機」的意味合いが含まれていな かったようです。
後になって、ブログに書き込んだことを貼り付けます。

[情報を集めてみると、ほんの些細なことで人命が左右されるのだと 実感します。
原子力行政の専門家であるイスラマバード大学のナヤール教授は、イ ンド・チェンナイの原発では、津波襲来2時間前に電源を切って対策を済ませていたと報告しています。チェンナイ住民に2時間前に津波襲来が伝えられていた ら、どれだけの生命が救われていたでしょう。
偶然ですが、地震発生時にタイのチャアムでタイ政府防災担当者の会 議が開かれていました。そこに津波情報が届いたのですが、議長は情報を無視して会議を続 けたようです。その後、プーケットに津波が襲来しました。あるタイのジャーナリストが、そのことを知り議長に詰問したら、「もし津波が来なかったら私たち は恥をかく」と答えたそうです。この件は災害発生直後のことで、今は口外秘になっています。
プーケットのパトン・ビーチの浜辺巡回の警官の愚痴です。
警察の見張り塔からは海の遠くが見え、波が異様に高く盛り上がり、 津波が来ることが自分より少し前には判ったはずなのに、ハンディ・トーキーを持たされて いる巡回警官に無線連絡のひとつも寄越してくれなかった、その僅かな時間差がどれだけ貴重だったか、何のための見張り塔か、と。
これらのことは、後になって言えることかもしれません。
しかし今後のために、責任の擦りあいをするのではなく、何がどう機 能して機能しなかったのかを検証することが必要でしょう。]

(続く)

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